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ゲストの峯本大地さん [第3回カフェ・コンサート]

今回のゲスト、カウンター・テナーの峯本大地さんのことが載っている7月6日の毎日新聞の記事をご紹介させていただきます。

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以下は記事の内容です。


町のカウンターテナー
(2016年7月6日、毎日新聞)


 2009年、「あおによし」という曲を作った。翌年の平城遷都1300年祭に向け、奈良を言祝ぐ歌を作りたかったのだ。作曲はNHK「みんなのうた」にも楽曲を提供している横浜の清田愛末さん。CDも作成した。

 曲は好評で、奈良市民合唱団の35周年委嘱曲として混声合唱にも編曲・演奏された。奈良市内の商店街でも毎日かかっている、「あおに~よ~し奈良の都は まほろ~ば~よ」というサビに聴き覚えはないだろうか。

曲を作って4年後、「商店街で耳にした曲が忘れられない。CDと楽譜が欲しい」と未知の人からメールがあった。ならまち在住だという。やってきたのは、小柄だが目をみはるような美青年、峯本大地さんだった。クラシックの歌手だという。それも日本では珍しいカウンターテナー。男性が高く澄んだ声で女声の音域を歌う技法だ。アニメ「もののけ姫」のテーマ曲を歌っている米良美一さんがカウンターテナーで、一気に知られるようになった。

 峯本さんは大阪生まれ。わらべ歌教室に通ったのがきっかけで歌が大好きに。

 「なぜか高いミ♭の音が好きで、いつも家で出していて、母にうるさいって叱られていました」

 中学2年で、師となる岡田孝氏に出会う。日本のカウンターテナーの草分けだ。弟子は取らないという岡田氏が、彼の歌声を聴いて一言「ギフテッド・ボーイ」、つまり「天から才能を与えられた少年」と言い、弟子入りを許してくれた。師はさらにこう続けた。「もらったものは、返さなくてはいけないよ」。そのひと言で、歌の道に進もうと決意。

 相愛大学で声楽を学び、奈良教育大学の大学院へ。ならまちに越してきて、すっかりこの町が気に入ったという。「『お帰り、兄ちゃん』なんて言ってもらえること、それまでありませんでした。町の景色もたまらない」

 現在は、香芝市立旭ヶ丘小学校で音楽の教師をしながら、音楽活動を展開。朝5時に起きて学校で発声練習、授業を終えてからも夜まで練習の毎日だ。精進の甲斐あって国際コンクールでも、何度も入賞や優勝をした。

 「落選して気落ちしたこともありました。すると師匠が『コンクールはマラソンの給水点に過ぎない。水を取れても取れなくても走者は走り続ける。きみもきみのゴールを目指しなさい』と」。「峯本さんのゴールは?」と聞くと「歌を、誰かの心に届けること」。

 6月に、奈良市音声館で彼のコンサートがあったが、館始まって以来の大入り満員。流行歌からイギリス民謡、本格のバロック歌曲まで幅広く歌い、最後はみんなで「ふるさと」を合唱して、実に心温まる音楽会になった。「あおによし」も一番最初に伴奏なしのアカペラで歌ってくれて、うれしかった。こんな素晴らしい歌手が同じ町に住んでいることが、うれしくてたまらない。

(寮美千子・詩人、作家)

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